自分の口臭、とても気になりますよね。世の中のほとんどの人は自分が口臭被害の加害者にならないよう、毎朝、毎晩、一生懸命に歯を磨いて口の中を綺麗にされているかと思います。
ところで、口臭の原因とはどのような成分でどんな物質なのか、あなたはきちんと理解していますか?専門家でないかぎり、ほとんどの方はそこまで理解出来ていないのではないでしょうか?
どのような食べ物のどんな成分が、いかなるメカニズムで口臭を発生させているのか、今回はそんな口臭の原因となる成分・物質、そして口臭を改善してくれる成分・物質についてまとめてみました。
口臭の原因となる成分
まず、口臭の原因となる成分や物質について、代表的なものをいくつかピックアップしてみます。
口臭ケアとは、基本的にこれらの成分や物質の生成・増殖を抑制する事。どのような成分が口臭の元になっているのかを知り、理解する事が口臭ケアの第一歩と言えるでしょう。
悪玉菌
悪玉菌とは、腸の中にある体の健康に悪影響を与える菌の総称です。悪玉菌が腸内に増えると腸内環境が崩れ、便秘などの症状を引き起こします。
便秘によって便が体外に排出されず腸内に残ると、便は腐敗し悪臭の元となるガスを発生させます。そのガスは血液に溶け込み全身を巡り呼気となって体外へ排出され、それが口臭となります。
活性酸素
活性酸素とは、一重項酸素、過酸化水素、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカルといった物質の総称で、酸化力の強い酸素の事。本来、活性酵素は優れた抗菌・殺菌作用を持つ物質で、体を健康に維持する為に必要な成分です。しかし、この活性酸素が増えすぎてしまうと、健康な細胞や組織まで酸化させてしまう事に。
体が酸性に傾くと、肌の衰えや生活習慣病の悪化などに繋がります。また、歯周病の悪化などから、口臭発生にも繋がってしまうのです。
アリシン
アリシンとは、硫化アリルとも呼ばれる硫黄化合物の一種で、口臭の天敵でもあるニンニクやニラ、玉ねぎなどに含まれる独特な臭いのもとになる成分です。
このような食物に熱を加えたり切断する事によって「アリイン」という物質が破壊され、「アリナイーゼ」と呼ばれる酵素と反応する事で生成されます。
インドール
インドールとは、ブロッコリーやキャベツなどの野菜に含まれる成分です。もともとは甘い薬品のような臭いですが、、口の中の食べ残しが発酵する事で発生し、非常に強い悪臭(便・排泄物のような臭い)に変わってしまいます。
基本的には口の中の食べ残しが原因なので、ブロッコリー・キャベツなどを摂取した後にきちんと歯磨きをおこなう事で、十分消す事の出来る生理的口臭です。
アセドアルデヒド
アセトアルデヒドとは、お酒・アルコールなどを飲んだあとに発生するあの独特な臭いの元になる、非常に刺激の強い青臭い臭いを発する物質です。
アルコールや酢酸、アセトアルデヒドは、本来は肝臓で分解されますが、分解しきれずに残ってしまった成分は血液に溶け込み体中を巡ります。結果的に肺からは呼気として口臭が発せられる事になります
口臭を予防・改善してくれる成分
口臭の原因となる代表的な成分を紹介しましたが、今度は逆に、口臭を予防・抑制・改善してくれる成分について。上記で紹介した口臭の原因となる成分や物質を抑えてくれる、非常に優秀な物質たちです。
成分の説明に加えて、その成分が多く含まれる食べ物についてもいくつか紹介したいと思います。
セサミンとは?
抗酸化物質は、体に悪影響を及ぼす活性酸素と戦ってくれる頼もしい物質です。しかし、肝臓まで直接届いて働いてくれる抗酸化物質はとても少なく、セサミンはその少ない抗酸化物質のひとつです。
肝臓の機能が弱まると、前述のアセトアルデヒドの分解能力が下がり、アルコールや酢酸などが肝臓に残ってしまいます。血液に溶けこんだアセトアルデヒドは体内を巡り、肺から口臭を排出する為、肝臓の機能を高めてくれるセサミンの摂取は口臭予防に非常に重要となります。
セサミンを多く含む食べ物
セサミンを含む代表的な食べ物はゴマです。定期的にゴマを摂取する事により、肝臓が健康的に保たれ機能します。肝臓がきちんと機能している事で、アルコール物質の分解がもちろん、腸内環境を整える効果も見込めます。
リコピンとは?
リコピンは、非常に強い抗酸化力を持った成分で、βカロテンの2倍、ビタミンEの100倍の抗酸化力を持つと言われています。人間の体は酸化する事で様々な悪い影響を受けます。
その影響のひとつが歯周病の悪化。他にも体内に様々な影響を及ぼします。リコピンをきちんと摂取する事によって体の酸化を防ぎ、結果的に口臭の発生を予防・抑制する事が出来ます。
リコピンを多く含む食べ物
リコピンを多く含む代表的な食べ物はトマトです。「トマトが赤くなると医者が青くなる」という言葉がヨーロッパにあるほど、トマトに含まれるリコピンの効能は優秀です。
また、リコピンは脂溶性で、油で調理する事でその吸収率は大きく高まります。特にオリーブオイルとの相性は抜群。リコピンの吸収率が高まれば当然その効果も高まります。サラダなどでトマトを直接食べるより、熱を加えたり油で炒めたりする事で、リコピンの恩恵を最大限に受ける事が出来ます。
食物繊維とは?
食物繊維とは、人の消化酵素で消化されない、食物に含まれる難消化性成分の総称です。ちなみに食物繊維の摂取量は、成人男性で19g/日以上、成人女性で17g/日以上が望ましいと言われています。
食物繊維には腸内環境を整えてくれる効能があります。腸内環境の悪化による口臭への影響は前述の通り。腸が健全に働いてくれる事で、口臭の予防・抑制に繋がります。
食物繊維を多く含む食べ物
食物繊維を多く含む代表的な食べ物は生野菜、またわかめや昆布などの海藻類、キノコや豆類にも多く含まれます。ちなみに、食物繊維の含有量の多い食べ物をランキング化すると下記のような感じです。※100g中の食物繊維含有量で比較
1位:きくらげ(57.4g)
2位:干しひじき(43.3g)
3位:切り干し大根(20.7g)
4位:おから(11.5g)
5位:アーモンド(10.4g)
6位:甘栗(7g)
7位:ごぼう(5.7g)
8位:枝豆(5.4g)
9位:アボカド(5.3g)
10位:ライ麦パン(5.2g)
乳酸菌とは?
腸内環境が口臭に多大な影響を与える事はご理解頂けたかと思いますが、もっとも腸内環境を良くしてくれる成分と言えばやはり乳酸菌でしょう。
乳酸菌は口臭の元となる悪玉菌を退治してくれる善玉菌の代表格で、生きた乳酸菌を腸に届ける事で腸内の悪玉菌を大きく減らしてくれます。
乳酸菌を多く含む食べ物
乳酸菌を多く含む食べ物の代表はやはりヨーグルト。その他にもチーズ、バターのような乳製品、そして味噌、納豆、醤油のような大豆製品です。
乳酸菌を摂取する事で、口臭を抑制・改善してくれるのはもちろん、生活習慣病の改善や老化の防止、さらにはがんの予防まで、その効能は非常に広く、私たちの健康を守ってくれます。
カテキンとは?
カテキンとはポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用や殺菌作用を持っています。
私たちの健康を害する活性酸素を取り除く効果もあり、口臭抑制はもちろん、老化防止や生活習慣病の予防にも役立ちます。
カテキンを多く含む食べ物
カテキンを多く含む代表的なもの、食べ物ではなく飲み物ですね。そう、お茶です。お茶でうがいすると風邪を引かないなど、お茶に含まれるカテキンの殺菌効果は様々な成分の中でもトップクラスです。
また、紅茶やウーロン茶などにもカテキンは含まれていますが、もっともカテキンが多く含まれているのは緑茶です。なお、緑茶を入れたあとの茶葉を口に入れ噛む事は、口臭予防や口腔内の抗菌に良いと言われています。
クエン酸とは?
クエン酸とは、疲労回復や美肌効果、血流改善、痛風予防など、様々な効能を持った素晴らしい成分です。いわゆる酸味成分で、酸っぱい食べ物に含まれている事は多いです。
クエン酸を多く含む食べ物
クエン酸を含む食べ物は、口臭予防の代表格ともいえるレモンや梅干しです。口腔内の殺菌効果を持つ唾液の分泌を促進し、さらにクエン酸自身の抗菌・殺菌効果のダブル効果で口臭を予防・改善してくれます。
その他に、お酢、パイナップル、キウイ、グレープフルーツ、イチゴ、桃、メロンなどにもクエン酸が含まれています。
まとめ
以上、口臭の原因となる成分・物質、そして口臭を予防・抑制・改善してくれる成分・物質についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
歯磨きをはじめとしたオーラルケアで口腔内を清潔に保つ事はもちろん必要ですが、普段の食生活から口臭を意識する事で、口臭抑制に効果的な成分や物質を多く摂取する事が出来ます。
何を食べるとどのような成分がどんな効果をもたらしてくれるのか、きちんと知った上で、理解した上で生活する事は口臭ケアにとって非常に重要な事。ぜひ、口臭に良い成分をたくさん摂取して、口臭のない綺麗な息を手に入れましょう。