普段の何気ない会話で、相手との距離をそこまで気にしている方は少ないと思います。あまり離れていても不自然ですし、近すぎても違和感を感じます。異性との会話であれば特に、その距離感は相手からの嫌悪感を生む原因にもなりかねません。
一般的に、1メートル程度の距離を保って会話していれば、そこまで違和感を感じる事はないと思います。ちなみに女性の半数以上は15cm~45cm(密接距離)に男性が入ってくる事に拒否感を示すというデータもあります。
近づいた時に相手の気になる事
仮に相手との距離感が近くなった場合、人はどのような事が気になり、どのような事に不快感を覚えるのでしょうか?
以下のデータは、江崎グリコ株式会社によっておこわなわれた、日常で人と接する際の距離感覚についての意識調査の結果です。
相手の距離感が近づいた際にもっとも気になる、不快に思う事はやはり「口臭」、ほぼ同率で「体臭」という結果。ともに8割以上の人が「気になる」と答えています。3位の「デオドラント」も含め、人は相手の距離が近づくと臭いに関して非常に過敏に反応するようです。
口臭に対する周りのリアクション
ちなみに相手の口臭を感じた時、人はどのようなリアクションを取るのでしょうか?
こちらのデータは、公益社団法人日本歯科医師会による「自分の口臭に気付いた相手の態度」に関する調査結果となります。
1位は「自分との距離をあけられる」で、男女ともに1位。全体の4割以上の方が相手との距離の違和感によって自身の口臭を自覚したとの事です。
口臭を感じたらまず相手との距離を取る。逆に言うと、ある程度の距離を保っていれば自分の口臭で相手に不快な思いをさせないで済む、という事かもしれません。
口臭の種類
口臭は大きく2つに分類する事が出来ます。ひとつは生理的口臭、もうひとつは病的口臭。簡単にそれぞれの口臭について解説いたします。
生理的口臭
生理的口臭とは、日常生活において誰にでも起きる口臭で、特に病院等での治療の必要も無いといわれています。
起床時口臭、空腹時口臭、夕方時口臭、緊張したときの口臭、女性の生理時に起きる事もあります。唾液の分泌量の低下やオーラルケアの不備などから起こるもので、日頃の対策(一般的なオーラルケア)を強化する事で改善出来るものがほとんどです。
病的口臭
一方の病的口臭は、虫歯や歯周病(歯槽膿漏)など口腔内の病気、また糖尿病などの全身的な疾患が原因で起こる口臭のことです。
こちらは生理的口臭とは逆に、口臭の原因となっている病気を治療・治癒させる事が解決・改善に必要な対策となります。歯周病や虫歯は歯医者に、内臓疾患の場合は内科に行って、医師の診断・指示に従う必要があります。
口臭が届く距離
さて、口臭で相手を不快にさせない為には、相手との距離感が重要である事は前述の通りですが、ではどのくらいの距離をあければ良いのでしょうか?これは、自分の口臭が「生理的口臭」なのか、「病的口臭」なのかによっても変わってくると言われています。
生理的口臭が届く距離
生理的口臭の場合、相手に臭いが届く距離は一般的に30センチ程度と言われています。30センチの距離って思っているよりも近いです。おそらく日常的に30センチの距離で会話する相手は、恋人や夫婦など、かなり近しい間柄になると思います。
なお、基本的なケアをしている状態での距離が30センチであり、仮に生理的口臭だったとしても、朝に歯磨きをしていなかったり前日に臭いのきつい食べ物を食べていたりすれば、口臭の届く距離も大きく変わります。気を付けましょう。
病的口臭が届く距離
病的口臭になると、口臭の届く距離はさらに伸び、臭い自体もきつくなります。距離でいうとおよそ1メートル。日常的な会話でも良くある距離感です。
普段の生活の中で相手の口臭を感じるケースは、ほとんどがこちらのパターン。内臓疾患などの場合は呼気以外にも汗や体臭からも臭いが発せられるので、より注意が必要です。
また、病的口臭は臭いもキツいため、狭い個室などの場合は口臭の臭いが部屋全体にこもってしまいます。そうなってしまえば距離も何もあったものではありません。自覚があるのであれば、自分から部屋の換気などには常に気をつかうようにしましょう。
不自然に距離を取るよりマスクを付けよう
もちろん相手との距離が大きく離れれば心配もないでしょうが、あまりに不自然に離れて会話をしていれば、「この人おかしいんじゃないか?」と思われるでしょうし、あなたから距離を保つ前に相手が離れていくでしょう。
口臭の根本的解決が一番良いに決まっていますが、病的口臭の場合は特にすぐに治癒出来ない事もあるでしょう。そんな時には、相手との距離を取るよりもマスクを付ける事をお薦めします。
マスクを付けていれば口臭で相手に迷惑をかけずにすみますし、自分の日常的な口臭チェックにもなります。
タブレットやガムを食べよう
また、定期的に歯磨きガムや口臭タブレットを食べる事で、息自体の臭いをマスキング(隠す)する事が出来ます。
根本解決にはなりませんが、どうしても個室や至近距離で会話をしなければならないような状況の場合は、直前にタブレットやガムを食べて乗り切りましょう。
まとめ
というわけで、口臭の届く距離や対策についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
相手との距離感は円滑なコミュニケーションにおいて非常に大切なファクターです。特に会話時の距離感のバランスは相手からの印象にも大きく関わるでしょう。
一般的に嫌悪感を感じない距離感は1メートル程度、確実に病的口臭が相手に届く距離になります。自覚があるのであれば、きちんとケアをおこないつつ、相手との距離を常に意識するようにしましょう。