口臭を予防・改善してくれる飲み物はたくさんあります。ニンニクの臭いを消してくれる牛乳やリンゴジュースなどは有名ですが、中でも緑茶は口臭抑制に非常に効果的と言われています。
なぜ緑茶は口臭に良いのでしょうか?それは緑茶に含まれる成分が、口臭の原因菌を抑制してくれるから。今回は、緑茶による口臭予防・改善をテーマに、緑茶が口臭に効く理由・効果・飲み方についてまとめてみました。
口臭に効果的な飲み物
さて、嫌な口臭を抑制してくれる飲み物について、改めていくつか紹介してみましょう。
牛乳
まず、焼肉や餃子など、ニンニクを食べる前に飲んでおくと効果的なのが牛乳です。牛乳の良質なたんぱく質が胃の臭い成分を包み込み、胃や腸から血液中へ臭い成分の元が吸収されるのを防いでくれます。
レモン水
レモン水には、殺菌作用のあるクエン酸が含まれているため、口腔内の細菌の働きを抑える効能があります。また、レモンを摂取する事で唾液の分泌を促進し、唾液による抗菌・消臭作用の効果をアップさせてくれます。
リンゴジュース
リンゴにはリンゴ酸、ポリフェノールが含まれており、この「リンゴ酸」はニンニクの臭い成分「アリシン」を分解し、抑制する効能があります。また、リンゴ酸は歯の黄ばみや色素沈着を取り除いてくれるので、歯を白くする効果もあります。
飲むヨーグルト
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やしてくれます。さらに、乳酸や酢酸を作る事で悪玉菌を減らす効果もあります。口の中にいるジンジバリス菌(歯周病を引き起こし口臭の元となる細菌)を、ヨーグルトの乳酸菌は退治してくれます。さらに、腸内環境を整えてくれる事で便秘の改善にもつながり、便秘から発生する口臭の抑制も見込めます。
ハーブティ
ラベンダー、ペパーミント、ジャスミンなど、ハーブ系の紅茶にも口臭抑制効果があります。ペパーミントの持つ消化促進効果は、胃の中の腐敗物を減らしてくれますし、ラベンダーの抗菌効果は口腔内の細菌に効果的です。さらに、ハーブ特有のリラックス効果で、緊張度が緩和され、ドライマウスなどの改善にもつながります。
緑茶が口臭に効く理由
いくつかの口臭に効果的な飲み物を紹介しましたが、やはり口臭に効果的な飲み物でもっとも代表的なものが緑茶です。
では、なぜ緑茶は口臭予防・改善に効果的なのでしょうか?ここではその理由・要因についてまとめてみたいと思います。
緑茶には、カテキン、フラボノイドと言われる、消臭効果を持つ成分を含まれており、その効能によって口の中の嫌な臭いを消してくれる効果があると言われています。
カテキンは強い殺菌・抗菌作用と強力な抗酸化作用があるといわれており、エピカテキン、エピカテキンガラテ、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、の4種のポリフェノールの総称として使われます。
その中でも、エピガロカテキンガレートの抗酸化力の強さはもっとも強く、臭い物質の発生を防ぎ、殺菌作用によって口の中の雑菌を減らします。
お茶でうがいをすると風邪を引かないなんて話を時々聞きますが、上記のような緑茶の持つ強い殺菌・抗菌作用による効能がその理由です。
緑茶の口臭予防・改善効果
では、緑茶による口臭予防は、具体的にどのような効果をもたらすのでしょうか?
唾液分泌
お茶に限らずですが、水分を体内に取り込む事によって、体の乾燥を防ぎます。体の水分が足りなくなれば、当然口の中もカラカラに乾きます。
口の中の細菌は、乾燥すればするほど増殖し、結果的にあの嫌な口臭を生み出します。つまり、緑茶による定期的な水分補給がドライマウス状態を防ぎ、口臭を抑制する事に繋がるのです。
殺菌・抗菌
前述の通り、緑茶に含まれるカテキンによる殺菌・抗菌作用により、口腔内の細菌の増殖を防ぎ、細菌自体を殺菌してくれます。
口の中の細菌は歯周病のもととなり、歯周病を発症するととてつもない悪臭の口臭を放出してしまいます。定期的に緑茶を飲む事は歯周病予防となり、口臭の発生を防いでくれるのです。
糖分が少ない
お茶には糖分が少ないため、虫歯や歯周病の原因になりづらいです。口臭の原因の大半は歯周病や口の中の細菌によるもの。糖分を含んだ飲み物を摂取し続ければ、やはり歯にも良くありません。歯の健康を守る事、それが口臭抑制への第一歩です。
口臭改善に効果的な緑茶の飲み方
緑茶が口臭予防・改善に効果的だという事はご理解頂けたかと思いますが、ここで「口臭改善に効果的な緑茶の飲み方」について解説いたします。
緑茶にこだわる
お茶であれば何でも良いのか?実はそんな事はありません。先ほど緑茶の効能はカテキンによる効果であると説明させて頂きましたが、このカテキンの量がポイントになります。
カテキンの量は茶葉の発酵度合いによって変化します。緑茶、ウーロン茶、紅茶。この3種類のお茶は実はすべて同じ茶葉から出来ています。ただ、発酵度合いが違うのです。
茶葉の発酵度合いが少なければ少ないほど、カテキンの量は多くなると言われています。そして、もっとも発酵の少ないのが緑茶です。ちなみに、もっとも発酵の高い紅茶は、緑茶の10分の1程度しかカテキンが残らないらしいです。
お茶であれば何でも良いわけではなく、「緑茶」にこだわって飲むようにしましょう。
食後に飲む
前述したとおり、緑茶には抗菌・殺菌作用があります。口の中がもっとも汚れた状態の時に飲むことで、口の中の汚れを洗い流してくれますし、その殺菌作用はフルで発揮されます。
食事をしたあと最後にお茶が出される事も多いと思いますが、それはとても理にかなったおもてなし。最後に緑茶を飲んで口の中を綺麗にする事は日本人の先人による素晴らしい知恵と言えるでしょう。
梅干しを入れる
緑茶だけで飲んでも効果的ですが、緑茶に梅干しを入れるとその効果は倍増します。
梅干しには「医者いらず」と言わせるほどに強い抗菌・殺菌作用があります。どの強さはあのコレラ菌にも勝ると言われるほど。そして、そんな梅干しにはさらに、唾液分泌を促進させる効果もあります。
緑茶の効能に加え、この梅干しの効果まで付加されるわけですから、もはや「梅干し緑茶」は口臭抑制最強の飲み物と言っても過言ではないかもしれません。
残った茶葉を噛む
最後に裏技的なのをひとつ。急須で緑茶を入れる時には最後に出がらしの茶葉が残ります。
たたみの掃除に使ったり、タンスに入れて消臭剤に使ったり、昔から主婦の知恵として活用される事の多い出がらしですが、これをガムのように噛んでみましょう。
お茶の栄養成分のほとんどは出がらしに残っていると言われています。これをゆっくりと噛む事でその効能を最大限に引き出す事が出来ます。
緑茶が口臭の原因に!?
最後にひとつ注意点。ここまで緑茶の素晴らしい口臭抑制効果について紹介してきましたが、その緑茶が逆に口臭の原因になってしまう可能性があるのです。
緑茶にはカテキンなどの良質な成分のほかに、結構な量のカフェインも含まれています。このカフェインには「利尿作用」があり、おしっこによって体の水分を体外に排出してしまいます。
体内の水分が減少すると、口の中も乾きドライマウス状態になります。結果的に、緑茶を飲んだ事でドライマウスによる口臭発生を促してしまう事になりかねません。
なので、頻繁に大量の緑茶を飲み続ける事は避けましょう。せっかくの緑茶の効能が台無しになってしまいます。
まとめ
という事で、緑茶による口臭予防・改善について、その理由・効果・飲み方についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
緑茶が歯周病・虫歯、そして口臭に良い効果をもたらす事は間違いありません。普段からコーヒーや水を飲んでいる方は、それを一度緑茶に変えてみませんか?
もしくは、職場や学校に口臭のキツイ方がいる場合、梅干し緑茶を勧めてみてはいかがでしょうか?もしかしたら気に入ってくれるかもしれませんし、定期的に飲むことで良い方向に向かう可能性も十分にあると思いますよ?