他人から口臭を指摘され、自分の口臭を自覚した時、まずは歯磨きやマウスウォッシュなどのセルフケアを始める方がほとんどだと思います。
そもそも、口臭を指摘してくれる人がいただけで超ラッキー。ほとんどの方は誰からも指摘もされず、自分だけ気付く事なく悪臭を放ち続けながら生活しているわけですから。
だからこそ、自覚したなら徹底的にその口臭を治す努力をしましょう。指摘してくれた人の勇気と愛情に真摯に応えましょう。
もっとも効果的な口臭予防・対策は?
ところで、もっとも効果的な口臭予防・対策とはどんな対策でしょうか?
それはやはり、歯のプロに診てみらう事でしょう。歯医者に行き、口腔内の状況や口臭の状態などをきちんとチェックしてもらった上で、正しい対処法を指示してもらう。これ以上の対策はありません。
どれだけ歯磨きを念入りにしようと、市販の口臭チェッカーで確認しようと、歯医者の意見よりも正確なものはないのですから。
歯周病患者の年代別分布
さて、お次は口臭の原因となる歯周病についてです。
現在、日本人の8割がかかっていると言われる歯周病。その患者数を年代別に比較したものがこちらです。
おそらく自覚している人は少ないでしょうが、もっとも割合の少ない若年層でも7割の人が既に歯周病にかかっています。
そして年齢が上がるにつれ、歯周病患者の数も重度もあがっていきます。歯周病はもはや国民病。問題はそのほとんどの人が自覚していないという事でしょう。
歯医者の通院頻度
ここで、一般の方に聞いたとあるアンケートをご覧ください。「あなたはどんな時にに歯医者行きますか?」という質問に対しての回答結果になります。
自覚症状が無い状態で、健診やケアのために定期的に歯医者に通院されている方は全体の2割程度。ほとんどの方は痛みなどの自覚症状が出てから歯医者に行っています。
しかし、歯周病の場合、歯茎の色や腫れなど、視覚的な変化はあるものの特に痛みなどは感じません。日本人の8割もいる歯周病患者の数に比べて、圧倒的に通院者が少ないのはその為です。
歯周病と通院経験
さらにもうひとつ調査データを見てみましょう。こちらは株式会社マーシュが2014年におこなった、歯周病に関する意識調査と歯医者への通院状況をリサーチしたものになります。
歯周病を自覚し、歯医者への通院経験がある人は全体の1割。残りの9割の方はセルフケアやそもそもケアをしていない、もしくは気付いていないという状況です。
これを見ると、それぞれ程度の違いはあれど、自分の口臭も歯周病も自覚せずに、ただただ周りに悪臭をまき散らしてはのほほんと暮らしている人がどれほど多いか、ご理解頂けたのではないでしょうか?
口臭や歯周病を予防・改善する為には、絶対に一度は歯医者に行った方が良いです。その後、歯医者に定期的に通いながら日々のオーラルケアを丁寧におこなう事。これが大事なのです。
歯医者での口臭予防・治療経験者の体験談
さて、ここで実際に口臭治療・歯周病ケアのために歯医者で治療した経験のある方からの体験談をご紹介します。
どれだけ専門的な事を並べるより、一般の方の体験談の方が何倍も説得力があります。ぜひ参考にしてみて下さい。
女性:40代以上(パート勤務)の口臭治療体験談
虫歯の治療でかかりつけの歯医者さんに行ったところ、「40歳を過ぎたら定期的に歯のお掃除に通ってみたらどうでしょうか。80歳まで自分の歯を保とう!」と言われまして、そこから3か月に1回のペースで麻酔をして歯石を取りレーザーを当ててもらい、歯にフッ素コーティングをしてもらっています。
歯周病予防の一環として口臭予防にもなっているし、その時に歯の調子なども診て頂けるので安心して治療してもらっています。
たまに、治療する前に口の中が乾燥しているかどうか、紙を口にくわえることもあります。
この治療を受けるようになってからは、虫歯で歯医者に通院したことは一度もありません。
歯の詰め物が食事中に取れて通院したことはありますが、歯が痛くて虫歯になった記憶はないです。
また定期的に歯ブラシの指導もして頂けるので、本当に助かっています。
今では、私自身、朝1回歯ブラシをし、お風呂から上がった時に1回してますが、1回目の時に小指の爪位しか歯ブラシに歯ブラシ粉をのせず、安物のチューブに入った歯ブラシ粉で磨きます。
そして、今度はちょっとお高めの歯ブラシ粉でまた少な目に歯ブラシに載せて歯をブラッシングします。
私の場合は、1回の歯磨きで2回磨いています。だから、2回目は歯茎を意識して磨いているし歯を磨き終わった後、歯がキュッキュッなりますし、何よりもさっぱりして気持ちいいです。
歯医者さんにもよく磨けていますと褒めてもらっています。お勧めの磨き方です。
女性:40代以上(事務職)の口臭治療体験談
口臭治療が目的ではありませんでしたが、歯周病の治療をすることで、悩んでいた口臭が解消されました。
経済的な事情もあり歯科には長年縁がありませんでしたが、ひどい歯痛に耐えられず歯科医を受診したところ歯周病と診断され治療しました。
かなりひどい状態だったため、歯茎を切開して歯の根元の歯周病を除菌し、切開した歯茎を縫合して1週間後に抜歯するという、凄惨な治療となってしまいました。
1回の治療で3~4本の範囲を治療するため、約1~2週間に1回の切開治療で全てを除菌するまでに数か月かかりました。
もちろん歯自体も治療が必要だったため、ほぼ週1回の通院で治療には約1年かかりました。
受診前の数年間、口臭にとても悩んでいました。
食後の歯磨きで少しは治まるものの、時間が経ったり、少しでもお菓子などを食べただけでも口臭がひどくなる状態で、常に飴をなめて臭いをごまかしていました。
飲み物は少しでも消臭効果があるように緑茶にしたり、口臭に効果があるという歯磨き粉を使ってみたりもしました。
結果的に口臭の原因は歯周病だったようで、治療により口臭が気にならなくなり、人と話をする時の口臭コンプレックスもなくなりました。
どれだけ食べ物に気を付けても、歯に原因があると口臭は防げません。
虫歯や歯周病は口臭の大きな原因となるので、口臭が気になる時は歯医者さんに行くことを強くお勧めします。
歯科衛生士からのアドバイス
私は歯科衛生士です。
口臭の原因は様々で、歯周病、喫煙、虫歯、口の病気だけでなく内科的な病気etc。
歯周病からの治療は、その患者さんによって汚れのつき具合は変わってきます。なので一概にこのペースでというのはありません。
歯科医院で歯石取りをするという事はもちろんなのですが、それ以降が問題であります。
いかに自分(セルフケア)で歯周病を防いでいけるのか?です。歯石が付いたら取るのも良いとは思いますが、まずは歯石を作らないという考えに変えてみます。
そうするにはまずは毎日の歯磨きが重要になります。
一般の方で、仕事されている方ですと、歯磨きの回数は2~3回であると思います。朝と夜。出来れば昼。一番多いのは朝と夜2回かもしれないですね。
昼に職場等で歯磨きする方も最近では結構増えてきましたが、まだなかなか浸透していません。
外で仕事している方や、歯磨きができるような設備が無いなど色々あると思われます。
皆さんが考える歯磨きをするの毎食後だと思いますが、本当はやって欲しい歯磨きの回数は4回です。
朝、昼、夜、寝る前です。
寝ている間は細菌数が一番増えやすい時間です。
なので夜寝る前、朝一番の歯磨きがとっても大切で、口臭予防にも関わってきます。
それをやった上で、汚れのつき方を歯科衛生士や歯科医師に見てもらい、自分はどれくらいのペースで歯科医院に通うべきなのかを決めていくといいかと思います。
まとめ
口臭・歯周病に関する歯医者への通院頻度や治療内容について、実際の経験者や歯科関係者の方の意見も交えつつまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
口臭予防・治療のために定期的に歯医者に通われる方はまだまだ少ないのが実情です。しかし、他人から指摘されにくい、自分で気づきにくい口臭だからこそ、自分から積極的に歯医者でケアする必要があるのではないでしょうか?
あなたの周りにも口臭がキツい方が何人かはいると思います。しかし、あなた自身は本当に大丈夫ですか?あなた自身が実は口臭モンスターになっていませんか?
歯周病患者は8割。言ってみれば日本人のほとんどが口臭患者であり予備軍なわけです。これを聞いて少しでも不安になった方、まずは一度歯医者に行ってみましょう。
歯医者から「大丈夫」のお言葉をもらえれば、本当に安心して周りとコミュニケーションも出来ますし、仮に口臭を指摘されればすぐに治療すれば良いのです。口臭とは無自覚がもっとも恐ろしいのですから。